【お客様向け無料セミナーレポート】木桶仕込醤油のすごさ発見セミナー(代田食品館10月20日)

今回は醤油のセミナーです。大正12年創業、現在4代目の埼玉県の弓削多醤油さんに醤油の魅力についてレクチャーしていただきました。
信濃屋で人気の醤油、弓削多醤油さんは国産の素材で、昔ながらの伝統的な製法の木桶で仕込む天然醸造の醤油を作っています。

弓削多醤油 × 信濃屋

今や全国で1%未満!希少な木桶仕込み醤油

江戸時代まで、醤油は「木桶」でつくられていました。
現在、醤油作りはステンレスタンクや強化プラスチック容器で仕込むのが主流ですが、それは人為的な操作が容易で工程を機械化でき、低コストで量産できるからです。

木桶での醤油作りは、その時々の気候その土地の風土に頼るところが大きく、時間も手間もかかることから、現在、減少の一途を辿り、醤油製造全体の1%以下まで落ち込んでいます。
全国で醤油屋は1700件ほどありますが、木桶で製造しているところは全国にたったの100件ほどしかありません。

弓削多醤油さんは、木桶仕込にこだわって製造しています。
その理由は、昔ながらの日本の良き伝統文化を消滅させてはならないという思い、そして、なにより木桶で作った醤油の味・香りが抜群にいいからです。

土地の気候風土が作り出す木桶仕込み醤油

醤油は大豆と小麦に麹菌を加え、塩水と共に発酵・熟成させた液体の調味料です。
発酵・熟成は、麹菌や乳酸菌など微生物の働きによって行われますが、ステンレスタンクで作る場合、製造過程で人為的に微生物を添加します。

一方、木桶で仕込まれる醤油は、長い年月の中で木桶に棲み着いた300種類以上の酵母菌や天然の微生物など、自然の力のみで発酵が行われます。
風土によって棲みつく微生物は多様で、蔵ごとに独自の生態系ができているといわれているそうです。
気候の変動にも微生物の働きは影響を受けるため、毎年一定レベル以上の味わいを作り出すには、攪拌などの手入れ等、熟練の職人技が必要です。

このため木桶で作られた醤油は土地、更には蔵によって風味が異なります。その蔵独自の多様な菌の働きにより、味わいや香りに深みがでるのです。
人為的に菌を添加するステンレスタンクでは菌の種類も限られるため、多様性が薄くなり、できあがる味・香りも画一的になってしまいます。

弓削多醤油 × 信濃屋

弓削多醤油 × 信濃屋

木桶職人復活プロジェクト

木桶は100年以上使用できるといわれています。
そのため、木桶で製造する醤油屋が少なくなった今、木桶を作る職人は全国で一人だけとなってしまいました。

木桶は、発酵の際の主役である微生物が棲みつくところ。
木桶がなくなってしまっては美味しい醤油が作れなくなってしまいます。

木桶が今後も必要であり、日本の伝統文化を守り木桶で造る調味料を次世代へと継承するために、小豆島のヤマロク醤油さんが発起人となり「木桶職人復活プロジェクト」が起ち上げられました。

弓削多醤油さんや全国の木桶の文化を支援する人たちが、木桶職人の育成、木桶や木桶仕込みの調味料の美味しさを伝える活動をしています。

弓削多醤油 × 信濃屋

丸大豆醤油とは?

醤油の原料が大豆であることは、よく知られています。
その大豆にわざわざ「丸」と付いている丸大豆醤油。その理由について教えていただきました。

醤油に使われる大豆には2通りあり、大豆そのものを原料にしたものと、脱脂加工大豆を原料にしたものです。
脱脂加工大豆とは、大豆から油分を抜いたもの。
低コストで生産できることから、国内の約80%の醤油が脱脂加工大豆から作られています。

商品ラベルの原材料表示欄をみると、「大豆」「丸大豆」もしくは「脱脂加工大豆」と書かれています。
「大豆」「丸大豆」は、大豆そのものを原料としている醤油で、大豆を丸のまま使っていることがわかりやすいように、あえて丸大豆と表記しているのが丸大豆醤油だそうです。

「大豆」、「脱脂加工大豆」、味わいは好みによるところですが、生産者の顔の見える安心した原料となると、「大豆」です。
「脱脂加工大豆」は輸入大豆を用いており、加工過程を経ることを考えると大豆自体の生産者までの履歴を追うことは困難です。
また、油を搾る工程で使用される溶剤は、安全性が確認されていると言われていますが、原料からこだわる生産者には敬遠される場合があるようです。

超希少!
国内産大豆と国内産小麦を使用した有機醤油

醤油に使用される大豆の97%が輸入されたもので、国内産はわずかに3%。
国内産大豆はたんぱく質が多いのが特長です。たんぱく質が醤油の旨味となるため、国内産大豆を原料としたほうが美味しい醤油となるそうです。
更に国内産有機大豆は、国内大豆使用量の0.02%とごくわずか。
国内産有機大豆を使用した醤油というのは超希少品です。

また、小麦は70%が輸入原料を使用しており、国産は30%。
国内産有機小麦は国内小麦使用量のわずか0.016%にすぎません。

以上の数値から国内産有機大豆・国内産有機小麦を原料とした醤油が如何に希少品であるかわかります。

弓削多醤油 × 信濃屋

生醤油と加熱した醤油

生醤油(なましょうゆ)は、最終工程で行われる「火入れ(加熱処理)」を行わず、酵素が生きたままの醤油です。
加熱処理をしていないため、芳醇な香りで口あたりがあっさりとしており、旨味の微妙な味わいがそのまま生きています。

素材を引き立てるので、刺身や冷奴など生で食すものに最適。
醤油は一番目の火入れをした時に一番いい香りが出るそうで、炒め物や焼き物など、最後にかけて軽く火を入れると食卓にいい香りが漂います。

「火入れ」した醤油は、加熱処理によって微妙な風味がなくなってしまうので、塩味が強く味がとがっているのが特長です。火入れをすると、香りは時間とともに薄れていき味わいも強いため、煮物や炒め物、特に中華料理などに適しています。

下の写真、左が生醤油、右が火入れした醤油です。
色が全く違います。香りも生醤油の方がまろやかで上品な香り。火入れした醤油は生醤油に比べると、とがったような香りです。

弓削多醤油 × 信濃屋

今回も多くのお客様にご参加いただきました。
木桶醤油は信濃屋で人気の商品ですので、使われているお客様も多数いらっしゃいました。
なぜ木桶醤油は、そうでない醤油に比べこんなに香りも味わいも上品で美味しいのか、その理由を知ることができて楽しかったとおっしゃっていただきました。

ご参加いただきましたお客様ありがとうございました。
弓削多さんありがとうございました。

弓削多醤油 × 信濃屋

講師を務めていただいた弓削多醤油さんの商品をご紹介します。

菌が生きてる!木桶仕込み吟醸純生醤油

国内産の丸大豆、国内産の小麦、海水を干してできた天日塩を使用し、木桶で発酵熟成した後、熱殺菌・精密ろ過・成分調整をせずにボトリングした、微生物の生きた要冷蔵の生醤油です。

弓削多醤油 × 信濃屋

【発売のきっかけ】(弓削多醤油さんHPより)

2003年以前から、弓削多醤油では「熱殺菌(火入れ)をしない生醤油」を発売していました。しかし、この醤油は、精密ろ過をして微生物を取り除き、常温保管を可能にした生醤油。
こちらは、熱殺菌・精密ろ過・成分調整をしない、微生物の生きた要冷蔵の生醤油です。

「抗生物質耐性菌から身を守る方法として、菌が生きている醤油を日常的に使用したい」「菌が生きた発酵食品は腸内の細菌叢を整えてくれる」「醤油の菌が腸管免疫系に刺激を与え、活性化する」「ヨーグルトなどの乳酸菌食品は、生きた菌がもてはやされているのに、醤油などの発酵食品は、流通上の問題で殺菌しているというのはおかしい」…ということで、発売することになったのです。
もし、このような効果を期待されて「生しょうゆ」をご利用される場合、菌が生きているかどうかをお確かめの上、お買い求めください。
他社の市販品の場合、菌が除去された生醤油がほとんど。弓削多の生しょうゆのように、菌の生きた要冷蔵生醤油は、まだまだ少数派なのです。

普通の生醤油 : 加熱殺菌はしていないが、精密ろ過で除菌済み
菌の生きた要冷蔵生醤油 : 熱殺菌(火入れ)なし、精密ろ過なし

一度、召し上がっていただくとその上品な味わいに驚くと思います。芳醇な香りにまろやかな風味と旨味。信濃屋で一番の人気商品です。

木桶仕込み有機醤油(有機認証)

大変希少な国内産有機大豆を使用した木桶仕込み、「火入れ(加熱処理)」した醤油です。青森県産の大豆を使用しています。しっかりとした生産者の原料を使ったこれ以上にない安心・安全な醤油です。

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今回ご協力いただいた企業様

弓削多醤油

大正12年創業の埼玉県の醤油製造の老舗。
国内産の丸大豆、国内産の小麦、海水を干してできた天日塩、これらを原材料に、仕込み水には秩父山脈から関東平野へ開ける扇状地の上という立地から、自社工場から湧き出る伏流水を使用。
「醤油は食品なので安心して口に入れられるものでなくてはいけない、醤油は調味料なのでうまくなければ意味がない。」
を信念に、こだわりの醤油を作っている。

弓削多醤油公式HP
http://yugeta.com/

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